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 私の彼がヴィリニュスに住んでいるのですが、最近日本人観光客が増えてきたそうです。私はテレビを見ないので知らなかったのですが、人から聞いたところによると日本のテレビ番組でもバルト三国が特集されることがちょくちょくあるそうです。私のブログもたいして更新してないのにアクセス数が増えてて、日本人のリトアニアへの注目度が上がっているな~と感じる今日この頃です。なんでリトアニア(というかバルト三国?)の人気が上がっているのかというと、ひとつには物価が安いこと、そしてもうひとつは治安がいいからでしょう。フランスやイタリア、ドイツ、ベルギーなどのヨーロッパ主要国が移民絡みの犯罪やテロで治安が悪くなっているので、リトアニアなどの地味に治安がいい国の評価が相対的に上がっているのだと思います。というわけで今回は治安の話し。

 以前も書きましたが、リトアニアは移民からの人気が低く、移民がらみの犯罪やテロの心配がありません。当初数百人の受け入れを予定していたシリア難民も、蓋を開けてみると8人しかリトアニアに来なかったそうです。これはさすがに笑う。イスラム系移民に限らず外国人そのものが少ないので、外国人関係でエンドレスに問題が発生している先進諸国に比べたら平和なこと限りなし。

 ロマは一応2500人ほどいるらしいですが、一般的な観光ルートに沿って移動していればあまり見かけないですし、いたとしても荷物に気を付けていれば大丈夫です。麻薬取引や万引きなどの違法行為に走るロマは多いらしいですが、観光客を狙うというのはあまりないみたいです。少なくともフランスやイタリアのロマのように集団で観光客を囲んだり、力ずくで金品を強奪するという話は聞きません。

 普通のリトアニア人が観光客を狙ったスリや暴力行為をはたらく、ということもあまりないと思います。リトアニア人は北国らしく寡黙で内向的な人が多いです。外では他人に対してとても気を遣いますし、スーパーなどで人とぶつからないようにする、列を守るなどのちょっとしたマナーもきっちり守る人達です。観光客をだまして何かを買わせたり、ぼったくりをしたり、まして暴力でおどして金品を巻き上げるようなリトアニア人は、私は見たことがありませんし、もしいたとしてもかなり例外的な存在だと思います。ちなみに、外務省のホームページにスキンヘッドのナショナリスト集団が日本人に暴行、という記載がありましたが、私はヴィリニュス滞在中にそれらしき人は一人も見かけませんでした。もしリトアニア人が何か原因があって逸脱した行動をとるのなら、日本人と同じで自傷とか自殺、もしくは身内への暴力という形になることが多いのではないかと思います。後で詳しく書きますが、リトアニアの殺人のほとんどは仲間内によるものだという話もあります。

 ちょっと怖いと思ったのは、物乞いとアル中の人。ヴィリニュス中心部に数人いる物乞いの人達は観光客に話しかけてきて、時には数メートルついてきたりします。でも直接触ってくることはないので、無視して振り切れば大丈夫です。知的障害っぽい感じがするので、ちょっと可哀想ではありますが。スーパーで見かけたアル中のおじさん(全身からアルコール臭がしていた)は、リトアニアではアル中絡みの犯罪が多いと聞いていたので「怖いな、絡まれたりしたらどうしよう」と思ったのですが、実際はきちんと人のために狭い通路を開け、レジの列を守り、私がぼーっとしてると後ろから「レジが開いたよ」と教えてくれ、しかも目が子供のように綺麗で純粋な感じのするおじさんでした。というわけでリトアニアではアル中も親切です。本当に怖いのは偏見にまみれた私の心だったのです・・・。(つーかこのブログで目が綺麗って書くの何回目だ・・・)

 それから、「殺人の首都」と呼ばれていることからもわかるようにEUの中では殺人件数は多いですが、リトアニア人の彼によるとそういう殺人のほとんどはアル中や薬中の仲間同士の喧嘩が原因起きるもので、普通に生活してる人や観光客にはほとんど関係がないらしいです。それを聞いたときは、「仲間同士の喧嘩?どんな感じなんだろう?」と私もあまり想像がつかなかったのですが、とある番組を見てなんとなくわかったような気がしました。それが「FARAI(ファーレイ)」という番組です。日本でいう「警察24時」で、テレビクルーが警察に同行し、犯罪捜査の一部始終を撮影するというものです。ほとんどは飲酒運転や、家や車に麻薬を隠し持ってる系なのですが、たまに殺人スレスレ?というようなすごいのがあります。あるとき、通報があって民家に警察が駆けつけると、そこの敷地に数人の若者がいたのですが、なんと、そのうちの一人の男の肩にナイフが突き刺さっているのです。ちなみにその男は上半身裸でした。タトゥーも入っていて、ヤンキー系。なぜ肩にナイフが刺さっているのかというと、どうもそばにいた男友達とのケンカがガチバトルに発展して刺されたらしいのです。普通なら刺した方の男を逮捕するところですが、他にも警察にばれたくないことがあるのか、その二人は、肩を組んで「なんにもないよ、ぼくたち仲良しだよ~」と言いながら満面の笑みを見せましたw肩にナイフが刺さってるにも関わらずwたしかそのときは警察も「やれやれ」みたいな感じで引き下がったと記憶していますが、もっとエスカレートしてたら殺人に発展してたかも・・・?と思わせるような事件でした。それ以来、私は「リトアニアの殺人=ほとんどは仲間同士の喧嘩」説に信憑性を感じるようになりました。

 ちなみに、私は「FARAI」が大好きでリトアニア滞在中にしょっちゅう見ては彼に翻訳するようにせがんでいたのですが、彼は「見てるのが恥ずかしい」と言って嫌がっていました。リトアニアの普通の人達は、リトアニアの下流社会に外国人以上に強い拒否反応を示すようです。つまり何が言いたいのかというと、日本から見てネガティブなニュースが多い国でも、中に住んでる人の大部分はけっこうまともだということです!むしろ悪い例をたくさん見てる分、日本人より倫理感ははっきりとしてるかも?

 これがFARAIの最近のもの。リトアニアの国産番組の中では人気があって、シーズン8くらいまで来てるらしいです。


 というわけで、観光で行く分にはリトアニアの治安はけっこういいよ、という話でした。