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 リトアニアでも桜を見られる季節になりました。
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 首都ヴィリニュスのネリス川沿いにあるこの区画は、「杉原サクラ公園」と呼ばれています。

 第二次世界大戦中にユダヤ人を避難させるためのビザを発行し、多くの命を救ったとされる日本の元外交官・杉原千畝の生誕100年を記念して、2001年に作られました。

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 当時、杉原が領事を務めていたリトアニアには、西から迫りくるナチスから逃れようとポーランドなどから大勢のユダヤ人が押し寄せていました。杉原は彼らをモスクワ鉄道を経由してひとまず日本へ逃がすために、「ソ連横断20日、日本滞在30日」を許可するビザを書き続けました。これは「旅費・滞在費等に相当する携帯金を持っている者」にのみビザを発行すべしという外務省からの警告を無視したものでした。

 杉原がビザを書き始めたのは1940年7月18日のことでしたが、その15日後の8月3日にはスターリン政権下のソ連がリトアニアを併合しました。公使館は閉鎖され、杉原は本省からの命令でベルリン異動になりました。杉原は出発日の9月5日に列車が発つ瞬間までビザを書き続けたそうです。その後、リトアニアに残ったのユダヤ人の多くがソ連とナチスの双方によってゲットーに送られ、虐殺されました。杉原がビザを書いていた時期は彼らを助けられるギリギリのタイミングでした。

 そうして杉原が命を救ったとされるユダヤ人は、6000人にものぼると言われています。

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 そんなこんなで意外にも日本と縁が深いリトアニア。
 
 昨日は晴天で、たくさんのリトアニア人が花見に来ていました。ぶらぶら散歩したり、座ってサンドイッチ食べながらおしゃべりしたり・・・。(野外でお酒を飲むのは禁止されています。)
 結婚式の記念撮影をしていたカップルもいます。

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 桜があると街の雰囲気が和やかになりますね。普段はクールなリトアニア人ですが、ここではニコニコ顔の人が多かったような気がします。
 
 こんなこともありました。私が一人で桜撮影に熱中していると、一人の中学生くらいの女の子が話しかけてきました。髪を赤く染めて、手にはスケボーと一眼レフ。何やら一生懸命英語で喋りかけてくるところによると、「桜とあなたで写真撮ってあげるから映らない?」とのこと。写真嫌いなもので最初は断ったのですが、どうしても撮りたいみたいなので撮ってもらいました。ちなみにカメラはキャノンのEOS30Dでした。いろんな人の写真を撮って、フェイスブックで公開してるようです。私はフェイスブックをしていないので、メアドを渡して別れました。生き生きしてて可愛かった~。

 公園のお向かいは国立美術館です。

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 奥の方には苗木の姿が。数年後が楽しみです。

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 ほのぼの・・・・・・。

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 平和になったリトアニアの姿を見て、杉原千畝も喜んでいるでしょうか。



 追記です。
 次の日行ってみると、土曜日だったこともありさらにたくさんの花見客が。おまけにリトアニアの民族衣装を着た女の子や、空手や合気道の道場の子供たちが記念撮影に来ており、可愛い写真が撮れました!

 リトアニアの民族衣装。桜って案外何にでも合うのね・・・。

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 道着姿の子供たち。

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 極真空手という流派なのだそうです。1954年に在日韓国人が創始したものですが、日本の空手として全世界に広まっています。なんだか複雑な気持ちですなぁ・・・。

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  この後子供たちが演武を披露してくれたのですが、そのときに号令をかけていたのがマルガリータ・キウプリート(Margarita Ciuplyte)さん。この麗しき金髪の女性です。

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(画像は借り物です)

 上の画像で見ると普通のリトアニア美人なのですが・・・なんとこの方、極真空手の世界チャンピオンなのです!!

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(同上)

 実際見たときはノーメイク&空手モードなので本当に強そうな感じでした。しかし、リトアニアに極真空手の世界チャンピオンがいたなんてびっくりですね。